質問
軟弱地盤、地盤種別の判断を行うには?
回答
下記の判断材料、判断基準をもとに地盤調査を行い、その結果より軟弱地盤、地盤種別をご判断下さい。
判断材料
- 当該地及び付近の地盤調査図、ボーリング柱状図(土質およびN値)やスウェーデン式サウンディングによる調査図など
- 県・市等で作成している地盤図
- 地盤性状等を基に作成された地震危険度の図
- 地形・地層をあらわす地名、住宅の見聞(『かつて、どこどこは沼地であった』等)
判断基準
地盤の分類、地形の分類については、以下の判断基準がございます。
(1)地盤の分類 | ||
地盤の分類 | 判断基準 | 昭和55年 建設省告示 1793号 |
良い・普通の地盤 | 洪積台地または同等以上の地盤 | 第1種地盤 |
設計仕様書のある地盤改良 (ラップル・表層改良・液状改良) |
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長期許容地耐力 50kN/m2以上 | ||
下記以外 | 第2種地盤 | |
やや悪い地盤 | 30mよりも浅沖積層(軟弱層) | |
埋め立て地および盛土地で大規模な造成工事(転圧・地盤改良)によるもの (宅地造成等規正法・同施工法に適合するもの) |
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長期許容地耐力 20kN/m2以上、50kN/m2未満 | ||
非常に悪い地盤 | 30mより深い沖積層(軟弱層) | 第3種地盤 |
海・川・池・沼・水田等の埋立地および丘陵地の盛土地で小規模な造成工事によるもの | ||
液状化の可能性があるところ |
(2)非常に悪い地形の分類 | |
判断基準 | |
液状化地盤 | ・過去の地震災害において液状化した地盤 |
・建築基礎構造設計指針(日本建築学会)の液状化判定によって液状化の恐れがあるとされた地盤 | |
・小規模建築物基礎設計の手引き(日本建築学会)の砂の液状化簡易判定グラフにより液状化の恐れがあるとされた地盤 | |
・その他、砂地盤の細粒土含有率が低く、N値が小さく、地下水位面が地表面に近く、液状化の恐れがあると判断された地盤 (例:沼地など低湿地をきれいな砂で埋め立てた造成地、旧河道地。ゆるく堆積した沖積砂質低地) |
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崖地(隣地含む) | ・過去の地震災害において崖崩れ等が発生し、その補修が未了の地盤 |
・宅地造成等規正法・同施工法によるがけで、施行令の技術的規準に適合しない地盤 | |
・その他、斜面の崩壊(山崩れ、崖崩れ、土砂崩れ、落石)によって 倒壊、圧壊、流失の恐れがあると判断された地盤 |
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造成地 (すべり、落下) |
・過去の地震災害において木造建築物が倒壊した盛土地盤 |
・宅地造成等規制法・同施行令によるがけで、施行令の技術的規準に適合しない地盤 | |
・その他の盛土で『非常に悪い』(液状化、不同沈下の恐れのある地盤)と判断された地盤 |
上記(1)(2)、一般診断法、精密診断法の分類の比較 | |||
(1)(2)による分類 | 一般診断法による分類 | ||
地盤 | 良い・普通の地盤 | よい | 良い・普通の地盤 |
やや悪い地盤 | 普通 | やや悪い地盤 | |
非常に悪い地盤 | 悪い | 非常に悪い地盤 | |
地形 | 液状化地盤 (軟弱地盤) |
・付近は液状化の可能性があると言われている ・地耐力は30kN/m2以下の層が3m以上ある |
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崖地 (隣地含む) |
がけ地、急傾斜地 | ・建物周囲に、1.5m以上の擁壁がある | |
造成地 (すべり、沈下) |
・敷地が傾斜地で、敷地内に盛土、切土部分がある ・建物周囲に、1.5m以上の擁壁がある ・河川・湖沼・池などの埋立地である ・田畑の造成地で造成後5年以内である |
参考
「木造住宅の耐震診断と補強方法」
(財)日本建築防災協会発行
P251~P252,P331~P334
カテゴリー: 建物概要,一般診断,精密診断