質問
「構造EX」で許容応力度計算(ルート1)した場合、壁量計算はされないのでしょうか?
回答
「構造EX」の2025年基準の許容応力度計算(ルート1)では、「国土交通省告示第1100号第6」の規定または「令第46条第2項ルート」に基づき、壁量計算を実施しない方式を採用しています。
これは、下記の条件を満たしている場合に、壁量の基準が適用除外となるためです。
国土交通省告示第1100号第6
■適用除外とする条件
- 水平力に対する当該階の壁又は筋かいが負担する水平力の割合が0.8以上(※1)
- 7倍相当の許容せん断耐力を超える高耐力の壁を使用しない
- CLTパネルを水平力及び鉛直力を負担する壁として設ける工法としない
■適用される規定 (昭和62年建設省告示第1899号に定める構造計算)
- 許容応力度計算 (令第82条各号)
- 屋根ふき材
- 層間変形角1/120以下 又はC0≧0.3として許容応力度計
- 偏心率(※2)
- 剛性率0.6以上(※3)or壁量充足率比(※4)
令第46条第2項ルート
■適用除外とする条件
- 材料制限(集成材・JAS材を使用)※無等級製材は使用不可
■適用される規定 (昭和62年建設省告示第1899号に定める構造計算)
- 許容応力度計算 (令第82条各号)
- 屋根ふき材
- 層間変形角1/120以下 又はC0≧0.3として許容応力度計
- 偏心率(※2)
- 剛性率0.6以上(※3)or壁量充足率比(※4)
備考
※1
この条件は、ラーメンフレームやCLTパネルなど、壁や筋かい以外の要素によって水平力を負担す る建物には適用できないことを示すための条件です。「構造EX」で取り扱う耐力要素は、すべて「壁又は筋かい」に該当するため、それらが負担する水平力の割合は1.0となります。したがって「構造EX」で許容応力度計算を行っている時点で、本条件(水平力の負担割合が0.8以上)を満たしていることになります。
※2
「構造EX」では、ねじれ補正を適用して許容応力度計算を行っているため、告示上の偏心率0.15以下ではなく0.3以下を採用しています。
※3
建物の高さが13m超~16m以下の場合に限り、剛性率の検討が必要です。
※4
「構造EX」では剛性率による確認を採用しており、壁量充足率比の検討はおこなっていません。
参考文書
国住指第501号(令和7年4月1日)「 建築基準法施行令の一部を改正する政令及び構造関係告示の改正について 」
カテゴリー: 2025年基準,許容応力度計算